耳・鼻の病気
耳・鼻の病気

耳垢は皮膚を保護する働きがあり、ホコリや異物とともに外へ排出される仕組みになっています。乾いた耳垢と湿った耳垢があり、日本人は乾燥したタイプが7~8割といわれています。
耳の入り口から鼓膜までのトンネルを外耳道といい、大きさや形には個人差があります。外耳道が狭く曲がりくねっていると、耳垢が溜まりやすくなります。除去しようとして耳垢を押し込んでしまい、皮膚や鼓膜を傷つけてしまうことがあります。耳掃除のしすぎは皮膚が傷つきやすくなり、痛みやかゆみの原因となります。掃除は月に一回を目安に、奥に入れ過ぎないよう注意してください。耳垢を適切に除去し、耳の中の状態を確認したい方は耳鼻科を受診してください。
主に細菌の感染によって外耳道に炎症が生じた状態です。原因は、耳掃除のしすぎや外傷、異物で皮膚が傷つくことが多いです。耳のかゆみや痛み、耳だれ、耳のふさがり感などが症状として現れます。治療は、抗生剤の点耳薬を用います。かゆくても耳をいじらないのが大事で、つらい場合はかゆみを抑える飲み薬を使用します。真菌(かび)は抗生剤が効かないため、抗真菌薬の塗り薬や、頻回の洗浄を行います。
鼓膜の奥にある空間を中耳といいます。中耳は耳管を介して鼻とつながっており、空気が出入りし鼓膜の張りを調整しています。急性中耳炎は、風邪をきっかけに鼻から耳に感染が広がるため発症します。
大人よりお子さまが発症しやすい理由は、耳管が太く短く水平に近いためです。症状は耳の痛み、発熱、耳だれ、難聴であり、めまいが見られることもあります。軽症の場合は鎮痛薬で様子をみて、中等症以上の場合は抗生剤を使用します。
急性中耳炎や外傷、鼓膜切開などが原因で鼓膜に穴があき、ふさがらなくなった状態です。鼓膜に穴があいていると、感染を起こしやすくなり耳だれや難聴を生じやすくなります。
感染を起こした場合は、抗生剤の点耳薬を使用します。感染を繰り返す場合や、聴力の改善が期待できる場合は、穴をふさぐ手術が適応になります。手術を希望される場合は、連携医療機関に紹介します。
鼓膜の奥に滲出液がたまっている状態で、難聴や耳閉感があっても、痛みがないのが特徴です。耳管の働きが低下し、鼓膜の奥に換気ができないと生じます。アデノイド肥大やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎によって耳管が狭くなることが主な原因です。治療は、原因疾患の治療と耳管の働きを促す内服薬を使用します。
改善には数週間を要しますが、3ヶ月以上続く場合は、鼓膜を切開し滲出液を吸引します。
難治性の場合は、鼓膜切開とともに換気チューブ留置や、アデノイド切除が検討されます。
特にきっかけや原因がなく、突然、片方の聞こえが悪くなる病気です。難聴や耳鳴り、耳閉感を自覚し、めまいを伴うこともあります。めまいは通常1回きりであり、繰り返す場合はメニエール病が疑われます。
聴神経に何らかの障害が起きていると考えられますが、原因はまだ分かっていません。
発症して2週間以内にステロイド薬で治療することが望ましく、重症度やステロイドの副作用を考慮し、必要な場合は入院治療を行います。
治療しても2/3は完治しない予後不良な病気です。1週間以内に耳鼻科を受診してください。
めまいを繰り返し、難聴や耳鳴り、耳閉感を伴う病気です。メニエール病の患者は、内リンパ水腫(内耳のむくみ)が起きていることが分かっています。内リンパ水腫の原因は仮説ですが、ストレスや疲労、睡眠不足などが関与しているといわれます。治療は、むくみを改善させる薬や、症状を抑える薬を使用します。
症状がつらい時は無理をせず療養し、疲労やストレスをためないことも大事です。病気を完治させるのは困難なため、症状をコントロールすることを目標とします。
内科治療でコントロールできない酷いめまいは、手術を検討します。
めまいの原因で最も頻度が高い病気です。
体の回転を感知する三半規管の中に、耳石(じせき)が入り込んでしまうため発症します。中高年の女性に多く、なぜ石が入り込んでしまうかは明らかになっていません。
寝返りなど頭を動かす度にグルグル回り、じっとしていると改善するのが特徴です。症状は辛いですが、手遅れになったり命の危険はありません。対症療法やリハビリで2週間以内に改善することが多いです。
めまい以外に呂律が回らない、手足が動かない、意識が保てない場合は脳梗塞が疑われますので、脳神経内科や救急病院を受診してください。
花粉やハウスダストなどが原因で、アレルギー反応をおこし、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを生じます。有病率は年々増加し、日本人の49%(2019年時点)が罹患しており、国民病といわれています。
症状が重いと集中力が低下し、仕事や家事、勉学にも悪影響を及ぼします。悪化すると副鼻腔炎や滲出性中耳炎を合併するため、軽症のうちに治療し、重症化させないことが重要です。
治療は内科治療が中心で、マスクやゴーグル装着などアレルゲンを回避することも有効です。
今は眠気が少なく効果の高い薬があります。舌下免疫療法は、3年以上の通院が必要ですが、8割で完治が見込める治療法です。
主に風邪をきっかけに鼻の周囲にある空洞(副鼻腔)まで炎症を起こす病気です。鼻づまり、白濁~黄色の鼻水、顔の圧迫感、頭痛などが症状として現れます。風邪とともに自然に改善することもありますが、ウイルス感染から細菌感染に移行した場合は、慢性化・重症化する恐れがあります。
内視鏡を鼻内に挿入し膿がでていないか確認し、必要な場合はCT検査を行います。片側から膿がでて、同じ側の上の歯が痛い場合は、むし歯が原因の可能性が高いです。
治療は抗生剤の内服や霧状の薬を鼻から吸入するネブライザー療法を行います。
副鼻腔の炎症が3ヶ月以上続くものを、慢性副鼻腔炎といいます。急性副鼻腔炎から感染症が慢性化したもの、ポリープや鼻中隔湾曲で副鼻腔の換気が悪くなる構造的なもの、アレルギー性鼻炎や喘息などの体質的なものが原因となります。喘息と関連する好酸球性副鼻腔炎は難治性であり、2015年に難病に指定されています。内科治療で改善しない場合は、手術や更なる精査をするため連携医療機関へ紹介します。
左右の鼻を隔てる鼻中隔がどちらかに曲がっている状態です。原因は鼻中隔を構成する軟骨と骨の成長スピードがずれるため、といわれています。ボクシングや外傷で曲がってしまうこともあります。
成人の9割はどちらかに湾曲していますが、曲がり具合と鼻閉は比例しません。
無症状であれば治療は必要ありません。アレルギー性鼻炎やポリープがあるとその影響は強くなり、鼻閉や頭痛、副鼻腔炎を伴います。内科治療で改善しなければ鼻中隔矯正手術を行いますが、骨の成長が完了した18歳以降が原則とされます。
鼻茸はポリープとも呼ばれ、粘膜が腫れて膨らんだ良性のできものです。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などによる慢性的な炎症が原因です。鼻づまりや鼻水、においの低下、呼吸のしづらさなどが症状として現れます。原因疾患の治療を行うも改善しない場合や、大きい場合は手術を検討します。
表面が滑らかではなく、出血を繰り返す場合は悪性腫瘍の可能性があります。鼻の奥は観察するのが困難であり、耳鼻科で内視鏡検査をお勧めします。
TOP